日々のたより

行動する医師、高橋享平さんの呼びかけで、「妊婦と子供を守る為の除染計画」を決行。 うだるような暑さの中、市民の手で南相馬市内の建物の除染作業が始まりました。以下はその報告。

平成23年8月7日(日)
                           高 橋 亨 平
南相馬市の未来と夢は、全て、子供達にかかっている。従って妊婦、子供は
徹底して守らなければ将来は無い。そのためにはどうすればよいのか、考えて
いるだけでは、100年経っても何も変わらない。少しでも改善する為に、小
さな一歩かもしれないが、行動し、出来る事は何でもすることであろう。そう
すれば、きっと、道は開けるはずだ。その様な主旨に、基づいて、皆で協力し
ながら、更に、次の行動をおこしていけば、大きなうねりになっていくかもし
れないし、眠っている市民に、きっと、誇りと勇気を思い出させることができ
ると信じている。大切な事は、成功しても、失敗しても、データをしっかり残
すことを忘れないことだ。
除 染 計 画
 
除染場所:南相馬市原町区(妊婦宅)
集合場所:南相馬市原町区橋本町1-3-2、原町中央産婦人科医院、駐車場、
本部:職員寮1階、かしのきホール、休憩、連絡、昼食、懇親会は全てここで
行なう。
集合時間:午前9時
協力参加者及びグループ、
 
原町中央産婦人科医院、高橋亨平、高橋荘平、横山龍二 計3名
亀田総合病院、産婦人科部長、鈴木真、他医師1名   計2名
東京大学上研究室、坪倉正治、他2名、        計3名
サードウエーブグループ、田中一正、他2名、     計3名
 
NPO法人実践まちづくり、箱崎亮三他、5名、     計6名
安心安全プロジェクト・花と希望を育てる会 田中節夫 計2名  
NPO実践まちづくり 横田一弘、           計2名
安心安全プロジェクト・NPO実践まちづくり・つながろう南福島、吉田邦弘 計
2名
石川建設、石川 俊、他機械部、2名、        計3名  
JCFグループ、花と希望を育てる会、高村美春、    計1名
ボランティア、東京、1名、大阪、1名
合計29名
                               
報道関係、日本テレビ山下、福島民報、その他、英国メディア
※ 終了後、かしのきホールにて、反省及び親睦会を開きます。
 
作 業 実 践
実践当日は猛暑で凄まじい暑さであった。記録をしっかり残すという大切な
仕事は東京大学上教室の坪倉先生を担当とした。先ず、サードウェーブの線量
計測チームに1-2名ずつ着いて、教えてもらいながら、地面、1m、2m、と
記録をとりながら2m間隔で全てを測定、この最も大切な作業には2-3時間
程かかった。マーキングし、外部が終り次第屋根の高圧洗浄に入る。セシウム
の性質から、最初に食らいついた場所からは、すっぽんの様に離れないという
特徴を利用し、敷地内で処理することとした。そのために、スコップで長く大
きな穴をほり、除去した表土等はそこに埋め、50cm位の土で固める予定で
あった。これが誤算でうだる様な暑さの中で、土の性質もあり、重く粘り強い
土を、しかもスコップなどでは太刀打ち出来ず、大変な作業で、困難を極めた。
狭い敷地でも重機が必要であることを痛感した。屋根の高圧洗浄に続き、次に
表土をはいだが、枯れた芝の根が強く、暑い中、皆汗だくになりながら、交代
し、かなり厳しい作業が続いた。皆の体も心配となったため、若干の未練を残
しながらも、3時半には終了と決めた。終了後皆で銭湯に行き汗を流し、反省
会を行なった。
皆さんの意見を聞きながら、これは単なる作業ではなく大きな範囲で、学術
的な意義があることを感じていた。データはいずれ坪倉先生の報告を聞くとし
て、とにかく、一人の妊婦さんの為にこれだけの人たちが、あの灼熱の中、協
力してくれたことに心から感謝したい。ありがとうございました。またこれに
懲りずに更なる研究と実践を積み、プロ軍団が誕生することを心から応援した
い。
そして又、南相馬市には、こういう人達がいる事を覚えておいてほしい。        
南相馬市に栄光あれ!