日々のたより

7月17日、南相馬市原町中央産婦人科医院・高橋院長は、
南相馬市復興委員会委員長として、復興計画への緊急提案を出した。以下はその要約。

1)緊急を要する事項
全力を挙げて、子どもたちがなんとしても生活できる環境をつくるために、
●空間線量などあらゆる物の線量を測定できる機材を持つプロチームと地元チームの共同作戦で学校、幼稚園、保育所、線量の高い自宅など緊急に測定し、要望があればどこへでも遠征する。
●線量の多い環境の子どもたちや、内部被爆の高い子どものための小さな学校(塾)を特区として認めてもらう。他

被爆医療の検査機器の充実
高橋さんは「原子力安全委員会」を
原子力安全委員会は安全対策の中に、住民の健康を守るための対策は全く存在しなかった。8時間以内に検査しなければならない、ホールボディカウンターは全国に109台あったが、何の連携も機能もしなかった。いくら交渉しても陰の圧力が必ずかかっていた。尿検査も国内ではできずフランスに送らねばならなかった。血液検査は国内では不可能であった。世界に恥ずべき国である。
と痛烈に批判し、
●市立病院に最新型の、1人1分で出来る、しかも、小さな子どもでも検査できる、最新型のホールボディーカウンターを至急購入してほしい。これは超緊急事項である。島根県から借りたバス式のものは小さ子どもは検査できず、不安定で時間がかかり、しかも返却しなければなりません。
●尿中のセシウムを検出できる企業、検査機器、血液セシウム量の検査機器も何とか連携、あるいは購入していただきたい。今問題になっている牛も、尿検査ができれば、簡単に検出できた。……
など、すぐにも動き出さなくては、どれも緊急事項であると、大胆で具体的な行動している。
●市民のあらゆる食べもの、水、土壌などの放射線濃度を検査する機器など、食品の安全性の管理を徹底し、実験農場、水耕栽培などによる野菜の検査もすぐできるようにしたい。これも緊急事項である。
と、放射能の汚染にもっとも敏感な子どもたちの未来を守るための具体的な提案を
している。

2)中長期的復興計画事項としては
この地域には世界に冠たる研究所を設立し、世界中から学者、研究者が集
まる都市とし、研究から発生した事業は、当市に中小企業群を教育養成し、
発展させたい。さすが、南相馬市と言われるような市にしたい。その為には
スタートとして全てのデータを保管するデータセンターから始めなければな
らない。全ての震災時の写真、子供達の絵、作文、大人たちの体験文、避難
や苦労談、被曝医療のデータ等の小さなデータが、スタートとなる。この土
地を復興する為のあらゆる知恵、研究、子供の環境、医療、衣、食、住、環
境、エネルギー、空気、土地、全てが今後の世界スタンダードとなることを
自覚してほしい。
と、これから長く続くことになる放射能から身を守るために、建築(住環境)について、自然エネルギーの開発、環境エネルギーの研究開発、安全な野菜を育てられる農業技術の開発にも地域と、共同研究に参加してくれる企業や個人たちとの連携を強く訴えている。