昼めし日記


2010年 1月28日

  昼めし献立 

  • 春菊のおろし大根和え
  • 里芋、人参、厚揚げの旨煮
  • 菜飯(蕪菜)
  • 味噌汁(聖護院大根、里芋、蕪菜)

たっぷりの大根おろしと泡立てた卵の白身で和え衣。

だいぶ以前のことになるけれど、実家に帰った折、近くの農家の庭先で春菊を見かけたことがある。畑からくっついてきた種が
落ちたのか、やんちゃ坊主みたいに勝手に育った、といった風で、たまに摘み取られておかずの足しにされていたかもしれない。
街の中で暮らしていると、春菊がその辺に生えている?、なんていう風景、見かけないですもんね。

さて、この季節、野の扉からも香り豊かな春菊が届きます。鍋ものの具に欠かせない、和の野菜だけれど、生のまま、サラダに
入れたり、炒め物にもしたりと色んな使い方をしています。
本日は、さっと蒸して和えものに。卵白を半分くらい泡立てたところに大根をたっぷりとおろして、少し水切りしたのを混ぜ合
わせ、火にかける。卵白に火が通ったら春菊と合わせて塩味をつけ、ごま油を回しかける。ふんわりした口当たりとごま油のい
い香りに、箸が進みます。

煮物の定番、里芋の旨煮は、人参と、厚揚げを合わせて。

せっせと食べます、青物野菜。ついでのように扱われがちな大根の葉も、蕪の葉も、人参の葉も(ついてくれば)…少しくらい黄色くなっても気にせず、炒め物に放り込み、卵焼きに混ぜ込み…と。新鮮なうちにさっと蒸してかさを減らせば場所もとらないし。ここのところは、蕪菜を炊き上がったご飯に入れた菜飯が活躍中。

お味噌汁の具は、聖護院大根と、里芋と、蕪菜の緑を彩りに。赤ちゃんの頭くらいもある聖護院大根、一見手強そうに見えるけれど、普通の大根より火の通りも早い気がします。

本日のお茶

薬草茶(ドクダミと庭で育てたアマランサス)

本日のおやつ

黒糖ピーナツ(暮れにいただいていたもの)       

                                   料理人:よこやま


2010年 1月27日

  昼めし献立 

  • 鮭汁(塩鮭、大根、人参、サツマイモ)
  • 菜飯(蕪菜)
  • ジャガイモすりおろしと蒸しリンゴ入り卵焼き
  • ブロッコリと蕪のサラダ。


☆昼飯コラム☆

 熟し柿で柿ピューレ(!?)

 昨年11月だったか、手のひらにやっとおさまるくらいの大きな富有柿を1個、いただいた。
富有柿は“甘柿”ですぐにも食べられるのだけれど、まだ少し固く、もう少しもう少しと置いておいたらつい食べそびれ、しまいにはその存在さえも希薄になっていき。そうこうするうち熟してぽよぽよに。これは何とかしなくちゃ…と思うものの、じつは私、熟し柿と、ふかしたサツマイモはあまり得意じゃないのです。サツマイモはたぶん子どものころにさんざん食べたことからきているかもしれない。
柿は、わが郷里では、この富有柿とそっくりのかたちをした柿があるが、これが極めつき(?)の渋柿で、家では父が毎年この渋柿に焼酎を吹きかけて「さわし柿」という渋抜きにしていたから、もっぱらこちらを食していた。このさわし柿がさくさくといい歯ざわりでとてもおいしく、炬燵でぬくぬくとしながら何個でも食べられる気がしたものだ。
 国語の教科書のなかで、びゅうびゅうと冷たい風のなかを「熟し柿」を買いに走る子どもの話が出ているのを、「熟し柿」ってどんなものだろうなどと、どこか遠い風景のように描いたことを、果物屋の店先に柿が並ぶ頃になると、なぜか思い出す。
東京で暮らすようになったら、お店では「甘柿」か「干し柿」しかないのが不思議で。もっとも田舎では柿とかイチジクとかビワなどは店で買う物ではなかったようだけれど。
 で、手元で熟した富有柿をどうするか。ジャムにしてみるか…柿ジャムを手づくりしたことのある人はいそう。でも見たことはないなあ。それにパンを食べるときにあまりジャムを塗らないし。煮詰めて酢を加えたらピューレになるかな…。
 というわけで、柿はもう“触れなば落ちん”いった風情なのでそっとホーローの鍋に移し、手で中身を搾り出し、まずは軽く煮詰めることにしよう。5分ほどくつくつと…あ、甘っ! 酢を足してまた4~5分…おぉ~、熟成柿酢にも似た香りがしてきた。これは使えそうですよ。
 トマトのピューレよりずっと水分が多い感じなので、柿酢のように使ってもよさそう。まずはサラダのドレッシングに。ジャガイモとブロッコリを蒸して、塩コショウで味付けし、オリーブ油と、このインスタント柿酢で和えました。
この柿ピューレに味噌と酒を少し加え、火にかけてアルコール分を軽く飛ばせば、ムニエルなどのソースにも合うかしら。

北国では、冬の魚といえば、これ。鮭をいただきました。

 暮れに麦々堂からいただいた新巻鮭が冷凍室で冬眠中だったことを思い出し、事務所ではめったに作らない魚を使ったおかずを一品。

郷里は北国ゆえ、冬には酒粕を溶かし込んで煮た鮭汁がよく作られるのだが、北海道では“三平汁”っていうのかな。当事務所では(酒の常備は欠かさずとも)酒粕は置いておかないので、潮汁に近い薄味の鮭汁に。
ジャガイモがあれば万全なれど、あいにく在庫なし。代打はサツマイモです。え~っと言うなかれ。薄塩味の汁にほんのり甘めのサツマイモ。おいしいもんです。それと冬には欠かせない野菜、大根はたっぷりあるし。大根は魚と相性良し! 鰤カマや、イカなどと煮ると魚のだしを吸っておいしさ倍増ですよね。鮭とももちろん仲良し。
鮭はさっと湯通し(酒を少し入れてね)してから。
鍋に水と酒、生姜の薄切りを加えて煮立たせたところに鮭を入れて煮ていき、少し塩が身から出たかなというところで、一度鍋からあげ、野菜を入れて煮込む。野菜に味が染みてきたら、鮭を戻して、身崩れしないよう火加減に注意しながら煮込む。

風邪の予防にリンゴがいいそうです。自然食通信社も毎年、青森の若葉農園さんから1箱買って、おやつにいただいたり、料理にも結構使います。きょうのひと品は、リンゴに薄く塩を振って軽く蒸し煮にしたのを卵に入れて焼いたもの。ジャガイモのすり下ろしも加えて。ジャガイモのでんぷんでむちっとした食感が出ています。上に乗せたソースは、スライスした玉葱を炒めてトマトピュレと、隠し味に味噌を少し入れたもの。

目にも鮮やかなブロッコリの緑と、蕪の白の対比がほんとうに美しい。ブロッコリは軽く蒸して。蕪は生のままスライス。オリーブ油をほんの少し全体によくからませ、さっと塩と酢を降って、シンプルながらブロッコリの深みのある味がさらに増したサラダに。

菜飯の菜は、サラダに使った蕪の菜。薄~く塩味をつけて。大根、蕪ともに菜っ葉のほうはついでになりがちだけれど、サラダやおひたし、炒め物にとおおいに活躍してくれる、ビタミンもたっぷりのたのもしい存在。

本日のお茶

薬草茶(ドクダミ、ヨモギ、玉葱の皮…外側の茶色くなった皮を溜めておきます)

本日のおやつ

若葉農園・神さんの「金星」という黄色いリンゴ       

                                   料理人:よこやま



2010年 1月20日

  昼めし献立 

  • 白菜、ほうれん草、春雨のとろろとじ
  • キムチ汁(シイタケ、大根、サニーレタス)
  • サツマイモと生姜入りごはん
  • 漬物(野の扉からの白菜漬、赤蕪甘酢漬)


☆昼飯コラム☆

 熟し柿で柿ピューレ

 昨年11月だったか、手のひらにやっとおさまるくらいの大きな富有柿を1個、いただいた。
富有柿は“甘柿”ですぐにも食べられるのだけれど、まだ少し固く、もう少しもう少しと置いておいたら
つい食べそびれ、しまいにはその存在さえも希薄になっていき。そうこうするうち熟してぽよぽよに。こ
れは何とかしなくちゃ…と思うものの、じつは私、熟し柿と、ふかしたサツマイモはあまり得意じゃない
のです。サツマイモはたぶん子どものころにさんざん食べたことからきているかもしれない。
柿は、わが郷里では、この富有柿とそっくりのかたちをした柿があるが、これが極めつき(?)の渋柿
で、家では父が毎年この渋柿に焼酎を吹きかけて「さわし柿」という渋抜きにしていたから、もっぱらこ
ちらを食していた。このさわし柿がさくさくといい歯ざわりでとてもおいしく、炬燵でぬくぬくとしなが
ら何個でも食べられる気がしたものだ。
 国語の教科書のなかで、びゅうびゅうと冷たい風のなかを「熟し柿」を買いに走る子どもの話が出てい
るのを、「熟し柿」ってどんなものだろうなどと、どこか遠い風景のように描いたことを、果物屋の店先
に柿が並ぶ頃になると、なぜか思い出す。
東京で暮らすようになったら、お店では「甘柿」か「干し柿」しかないのが不思議で。もっとも田舎で
は柿とかイチジクとかビワなどは店で買う物ではなかったようだけれど。
 で、手元で熟した富有柿をどうするか。ジャムにしてみるか…柿ジャムを手づくりしたことのある人は
いそう。でも見たことはないなあ。それにパンを食べるときにあまりジャムを塗らないし。煮詰めて酢を
加えたらピューレになるかな…。
 というわけで、柿はもう“触れなば落ちん”いった風情なのでそっとホーローの鍋に移し、手で中身を
搾り出し、まずは軽く煮詰めることにしよう。5分ほどくつくつと…あ、甘っ! 酢を足してまた4~5
分…おぉ~、熟成柿酢にも似た香りがしてきた。これは使えそうですよ。
 トマトのピューレよりずっと水分が多い感じなので、柿酢のように使ってもよさそう。まずはサラダの
ドレッシングに。ジャガイモとブロッコリを蒸して、塩コショウで味付けし、オリーブ油と、このインス
タント柿酢で和えました。
この柿ピューレに味噌と酒を少し加え、火にかけてアルコール分を軽く飛ばせば、ムニエルなどのソース
にも合うかしら。

やさしく、ちから強い、山芋三昧はいかがかな。

 しばらくお休みしていた山芋が野の扉からまた届き始めました。自家採種して育てるようになったというごつごつと武骨な風体のこの山芋、すりおろしても簡単にずるりとたれてはくれず、同量くらいのだし汁でのばしたらちょうどいい濃さに。あっさりした煮びたしを卵とじならぬ、とろろとじ(卵白入りですが)にしてみました。
 蕎麦好きだけれど、蕎麦屋でとろろ蕎麦というのを注文することがめったになく、酒のつまみに、茹でた蕎麦(この場合、茹でて売っているものでも可)にすりおろした山芋(大根おろしを混ぜたりもします)をからめ、油を薄くひいたフライパンで焼いて、焦がしバター醤油をかけたら、私の中では新発見のおいしさで、これですっかり山芋使いのとりこに。

 このとろろ汁を塩、醤油で薄味に仕立て、鍋に移して火にかけ、半分くらい火が通って、もったりしてきたら、吸い物くらいの濃さのだし汁で白菜、ほうれん草、春雨、をそれぞれさっと煮て、器に盛ったところにかけ回す。
“精がつく”っていわれるように、ふくよかでこっくりとした味わいは、からだがへたりそうなときに力をつけてくれそう。我ながらおいしいじゃん! と、自画自賛です。

ご飯にはサツマイモを炊き込んで。炊きあがったところに生醤油に漬けた千切り生姜をたっぷり混ぜ合わせて。山芋ともども、寒さに縮こまったからだを中から温かくしてくれる生姜。冬の寒さに負けないからだづくりに欠かせない大切な食材ですね。シンプルに生醤油を使うこうした食べ方では、醤油もごまかしがきかないので、いい醤油を選びたいもの。

白菜漬も、赤蕪漬も、野の扉から。
泰子さ~ん(野の扉の女主人デス)、白菜の塩の加減、発酵の具合ともに絶妙ね。お茶受けなんかにしたら、あっという間に食べ終わってしまいそうなので、けちけちと食べています。甘酢が浸透して色も鮮やかな赤蕪も、美しいです。

汁には白菜キムチの古漬が入りました。熟した酸味がひなびた味わいにしてくれました。

本日のお茶

薬草茶(ドクダミ、ヨモギ、玉葱の皮…外側の
茶色くなった皮を溜めておきます)

                                   料理人:よこやま



2010年 1月15日

  昼めし献立 

    • ライ麦パン(ドイツパンの店 吉祥寺・リンデ)
    • ディップ2種=人参・サワークリーム・ゆで卵・
      オリーブ/リンゴ・人参・サツマイモ・味噌

    • 温サラダ2種=大根・カシューナッツ・アーモンド+塩・胡麻油/小松菜・ジャコ天・白菜キムチ+醤油・胡麻油
    • 塩味スープ(大根・ジャコ天・蕪間引き菜)


☆昼飯コラム☆

焼き菓子がこんなにもおいしいなんて

~惚れ惚れします、オーボン・ヴュータンのお菓子~

 久しぶりに買ったオーボンヴュータンのヌガー。自分だけのちょっと秘密めいた楽しみが詰まっているような小さな姿が愛らしい。本郷で長年入り浸っている喫茶店の前マスターから弟さんのお店と聞いていたのだけれど、初めてお店に入ったのはそれから7~8年もたってから。真っ先に目に飛び込んできたのがこのお菓子と、さざれ石のような姿をしたプラリネ(らしいというのも最近知りました。ワインも洋菓子も名前がちっとも覚えられん!)。
 それまで、デパートに出ている名の通った菓子店のや、たまに入った洋菓子店で焼き菓子を買っても、今度またぜひと いうほどのおいしさに出会ったことがなく、こんなものなのかと焼き菓子類には期待しなくなっていたのだけれど、この小さな菓子たちの、感覚の扉をつぎつぎノックされるようなおいしさの攻勢に思いっきり先入観をひっくりかえされるという心地いい衝撃を味わうことに。たった1個の菓子に詰め込まれた甘さのエッセンスがもたらしてくれる幸福感に、いっしょに食べた事務所のスタッフともども、うっとりと吐息をもらしました。
 昨年秋に出版されたオーナーパティシエ、河田勝彦さんの著書『伝統=ベーシックこそ新しい~オーボンヴュータンのパティシエ魂~』(朝日新聞出版)が話題を呼んでいます。自分の進む道を見失いそうになるなど悩みながらも、実力ある菓子職人、料理人たちから貪欲に吸収しつづけたフランスでの若き修行時代から、日本の洋菓子の頂点にたつ今日までが生き生きと語られています。小麦、ナッツ、卵、果物、砂糖といった限られた素材の組み合わせから素材のもつ味の可能性を存分に引き出す丁寧な作業を通して、千変万化のおいしさを生み出す、志高いプロフェッショナルの仕事に賭ける情熱と、愚直なまでの生き方。
 焼き菓子といってもデコレーションケーキほどの大きさのものから、ひと口か2口で食べられるくらいの大きさの、のものまで多彩だけど、ひとつひとつ、どれをとっても(といっても100種類を超えるらしい焼き菓子のなかから、食べたのはせいぜい15種類くらい…)、違ったおいしさに仕上げられていて、ハッとさせられるのです。黄金率のような、糖度65%~70%という数字から半端じゃない甘さを想像すると、口に含んで感じる甘さにはいささかの押しつけがましさも、くどさもなく、ついつい幾つも手を伸ばしそうに。お菓子にこんな言い方は変かもしれないが、もちろん、ケーキも尋常じゃなくおいしい。たまぁ~に、本物の贅沢を味わいたい気持ちになったら、はるばる出かけていっても決して失望しませんよ。それにしても「甘味」って奥が深いんだなあ。
「すべては、おいしさのために」―、本文のどこかにあった河田さんのことば。お客さんが食べて「おいしい」と言ってくれる、そのことのために菓子づくりのさらなる高みをめざしていく。どんな仕事にも通じることと、襟を正す気持ちにもなります。

胡麻油、オリーブ油、いい物を少し使っておいしさアップ

 池袋・東武デパートの地下食品売り場でドイツパンの店を見つけました。「リンデ」といって本店は吉祥寺とのこと。ライ麦100パーセントのパン2種と、ライ麦と全粒小麦のパンです。いずれもサワー種で発酵させている酸味のやや勝ったガッシリとしたパン。熟成}チーズやサワークリームベースのディップなどととてもいい相性です。
旭川・麦々堂のパンに惚れ込んでいるのだけれど、よそのはどんな味かしら…?と、ちょっと寄り道。「ロッゲンフォルコンブロート」ずしっと持ち重りのするレンガのようなライ麦パン。見た目は愛想のない姿なれど、軽くトーストするとむちっとした噛み心地とライ麦のワイルドな酸味がじわり。日本だったら白米に対する雑穀。なかでも地味な稗・高黍というところ。40年近く前、明治屋で輸入のもの(真空パックだった)を見つけて以来、質実なドイツのイメージぴったりだわなどと思いながら、独特の酸味に鷲づかみにされてしまい、時々買い込んでいました。ここの店のも、なかなかおいしいです。
あわせて、ディップを考えてみます。
 人参をたっぷりすりおろして、サワークリームとゆで卵を刻んで混ぜ合わせます。塩とカイエンヌペッパーで味と香りづけ。オリーブの実があったのでそれも加えて。
 もう1種類は、すりおろしたリンゴ、これもたっぷり主役級で。そこにすりおろし人参、サツマイモ、味噌、隠し味にターメリックを振って煮詰めたもの。甘さが気になったらレモンやライムの汁を加えても。

温サラダは、短冊に切った大根と、小松菜で。
大根、小松菜をいっしょにさっと蒸して、小松菜は火が通ったらすぐに引き上げ、大根は火を止め、鍋のふたをして20秒ほどおきます。
砕いたナッツ類と大根を合わせ、上等な胡麻油をほんの少したらして全体にからめ、塩を
ふる。ゴマ油と塩だけで味わうというのは、韓国に留学していた友人が帰国したときに、牛肉を焼いたのをこうして出してくれたのをご馳走になったのが初体験。なんにでも醤油を使いがちなので、それがとても新鮮でしたね。韓国の漬物ナムルのおいしさも塩とゴマ油がうまく使われているからかな。小松菜のほうには、ジャコ天(いただきもの)と白菜キムチを刻んで酢醤油を混ぜ合わせ、こちらもごま油で風味づけ。
値段が高めでも、いい油を備えておくと、ほんの少量でおいしさが格段にアップしますよ。
スープは鰹節のだしで。長葱、小松菜、ジャコ天を具に、塩・胡椒で味つけ。仕上げに針生姜をしのばせて。
本日のお茶

薬草茶(ドクダミ、ヨモギ、玉葱の皮…外側の
茶色くなった皮を溜めておきます)

                                   料理人:よこやま


2010年 1月13日

  昼めし献立 

  • リゾット
  • ひよこ豆と根菜のトマトソース煮
  • ナッツ入りキャベツと春菊の温サラダ
  • スープ(大根、レタス、ジャコ天)


☆昼飯コラム☆

焼き菓子がこんなにもおいしいなんて

~惚れ惚れします、オーボン・ヴュータンのお菓子~

 久しぶりに買ったオーボンヴュータンのヌガー。自分だけのちょっと秘密めいた楽しみが詰まって
いるような小さな姿が愛らしい。本郷で長年入り浸っている喫茶店の前マスターから弟さんのお店と
聞いていたのだけれど、初めてお店に入ったのはそれから7~8年もたってから。真っ先に目に飛び
込んできたのがこのお菓子と、さざれ石のような姿をしたプラリネ(らしいというのも最近知りまし
た。ワインも洋菓子も名前がちっとも覚えられん!)。
 それまで、デパートに出ている名の通った菓子店のや、たまに入った洋菓子店で焼き菓子を買っても、
今度またぜひと いうほどのおいしさに出会ったことがなく、こんなものなのかと焼き菓子類には期待
しなくなっていたのだけれど、この小さな菓子たちの、感覚の扉をつぎつぎノックされるようなおいし
さの攻勢に思いっきり先入観をひっくりかえされるという心地いい衝撃を味わうことに。たった1個の
菓子に詰め込まれた甘さのエッセンスがもたらしてくれる幸福感に、いっしょに食べた事務所のスタッ
フともども、うっとりと吐息をもらしました。
 昨年秋に出版されたオーナーパティシエ、河田勝彦さんの著書『伝統=ベーシックこそ新しい~オー
ボンヴュータンのパティシエ魂~』(朝日新聞出版)が話題を呼んでいます。自分の進む道を見失いそ
うになるなど悩みながらも、実力ある菓子職人、料理人たちから貪欲に吸収しつづけたフランスでの若
き修行時代から、日本の洋菓子の頂点にたつ今日までが生き生きと語られています。小麦、ナッツ、卵、
果物、砂糖といった限られた素材の組み合わせから素材のもつ味の可能性を存分に引き出す丁寧な作業
を通して、千変万化のおいしさを生み出す、志高いプロフェッショナルの仕事に賭ける情熱と、愚直な
までの生き方。
 焼き菓子といってもデコレーションケーキほどの大きさのものから、ひと口か2口で食べられるくら
いの大きさの、のものまで多彩だけど、ひとつひとつ、どれをとっても(といっても100種類を超え
るらしい焼き菓子のなかから、食べたのはせいぜい15種類くらい…)、違ったおいしさに仕上げられ
ていて、ハッとさせられるのです。黄金率のような、糖度65%~70%という数字から半端じゃない
甘さを想像すると、口に含んで感じる甘さにはいささかの押しつけがましさも、くどさもなく、ついつ
い幾つも手を伸ばしそうに。お菓子にこんな言い方は変かもしれないが、もちろん、ケーキも尋常じゃ

なくおいしい。たまぁ~に、本物の贅沢を味わいたい気持ちになったら、はるばる出かけていっても決
して失望しませんよ。それにしても「甘味」って奥が深いんだなあ。
「すべては、おいしさのために」―、本文のどこかにあった河田さんのことば。お客さんが食べて「お
いしい」と言ってくれる、そのことのために菓子づくりのさらなる高みをめざしていく。どんな仕事に
も通じることと、襟を正す気持ちにもなります。

ひさびさに、ひよこ豆を煮ました

 ホンモスあるいはホムスなどと呼んで、イスラム諸国では薄焼きパンとセットで出てくるひよこ豆のペースト。これがすんごくおいしい。ベイルートに数日滞在した折、ホテルでも、街の食堂でも必ずといっていいほど出てきて、ひよこ豆ってなんて美味しいんだろうと、感激しどおしでした。
初めてひよこ豆を知ったのは、高田の馬場に店を開いたバングラデシュのカレー屋さんで「チャナ豆」カレーのメニューを見たとき。もう25年も前のこと。エスニック料理が少しずつ紹介されはじめたころでもありました。こんなにおいしい豆があるんだと、すっかり夢中になり、それ以来、上野のエスニック食材点で、アジアの人たちに混じって時どき買い物するのも楽しみのひとつに。こうした店では、皮をとって挽き割りにしたひよこ豆も売られていますが、たぶんこちらがホンモスやはスープ状に煮込んだりするのに使われるのではないかと。
常備しているのは皮付きの豆。半日ほど水に浸けて煮るのですが、大豆よりずっと早く煮えます。インゲンやエンドウ豆に近いかな。
これをたくさん煮て、いろんな料理に使います。
今日は、ミネストローネの汁なしといった感じの煮物に。
オリーブ油を鍋で温め、カルダモン、シナモンスティック、ローレルなどを軽く炒めたところに玉葱、人参、ジャガイモなどを入れて炒め、スープ(鶏ガラがあった)、トマトピューレ、塩、胡椒を入れて煮込み、味が全体にしみれば出来上がり。

ここのところ、せっせと大根、白菜を消化していたら、キャベツにまで手が回らず、「失礼しました!」状態に。蒸してカサを減らしてキャベツまとめ食い、といきましょう。
蒸したキャベツに刻んでつぶしたオリーブの実を混ぜ、オリーブ油、塩で和えます。春菊も蒸して、こちらはカシューナッツとアーモンドを刻んだのを混ぜて同様にオリーブ油と塩で和え、どちらもバルサミコ酢に醤油少々混ぜ合わせたものを回しかけて。
バルサミコ酢+醤油のソースは、オリーブ油を使った料理を広めている木暮剛さんに
お聞きして、さっそく試してみたら、これがいけますねえ。

バターでスライスした玉葱を炒めたところに小麦粉を混ぜあわせ、牛乳を少しずつ加えてゆるめのホワイトソースをつくったところに、バターを少し入れてやや固めに炊いた
ご飯を投入、チーズを加えて混ぜ合わせただけのリゾットをインスタントにつくってみました。

本日のお茶

薬草茶(ドクダミ、ヨモギ、玉葱の皮…外側の
茶色くなった皮を溜めておきます)

                                   料理人:よこやま



2010年 1月7日

  昼めしの献立 

    • すりおろし人参炊き込みごはん
    • 吸い物(豆腐、長葱、油揚げ)
    • 芋三種とブロッコリーのスピードクリーム煮
    • 葱入り卵焼き
    • 「野の扉」自家製白菜漬け


☆昼飯コラム☆

焼き菓子がこんなにもおいしいなんて

~惚れ惚れします、オーボン・ヴュータンのお菓子~

 久しぶりに買ったオーボンヴュータンのヌガー。自分だけのちょっと秘密めいた楽しみが詰まっているような小さな姿が愛らしい。本郷で長年入り浸っている喫茶店の前マスターから弟さんのお店と聞いていたのだけれど、初めてお店に入ったのはそれから7~8年もたってから。真っ先に目に飛び込んできたのがこのお菓子と、さざれ石のような姿をしたプラリネ(らしいというのも最近知りました。ワインも洋菓子も名前がちっとも覚えられん!)。
 それまで、デパートに出ている名の通った菓子店のや、たまに入った洋菓子店で焼き菓子を買っても、今度またぜひと いうほどのおいしさに出会ったことがなく、こんなものなのかと焼き菓子類には期待しなくなっていたのだけれど、この小さな菓子たちの、感覚の扉をつぎつぎノックされるようなおいしさの攻勢に思いっきり先入観をひっくりかえされるという心地いい衝撃を味わうことに。たった1個の菓子に詰め込まれた甘さのエッセンスがもたらしてくれる幸福感に、いっしょに食べた事務所のスタッフともども、うっとりと吐息をもらしました。
 昨年秋に出版されたオーナーパティシエ、河田勝彦さんの著書『伝統=ベーシックこそ新しい~オーボンヴュータンのパティシエ魂~』(朝日新聞出版)が話題を呼んでいます。自分の進む道を見失いそうになるなど悩みながらも、実力ある菓子職人、料理人たちから貪欲に吸収しつづけたフランスでの若き修行時代から、日本の洋菓子の頂点にたつ今日までが生き生きと語られています。小麦、ナッツ、卵、果物、砂糖といった限られた素材の組み合わせから素材のもつ味の可能性を存分に引き出す丁寧な作業を通して、千変万化のおいしさを生み出す、志高いプロフェッショナルの仕事に賭ける情熱と、愚直なまでの生き方。
 焼き菓子といってもデコレーションケーキほどの大きさのものから、ひと口か2口で食べられるくらいの大きさの、のものまで多彩だけど、ひとつひとつ、どれをとっても(といっても100種類を超えるらしい焼き菓子のなかから、食べたのはせいぜい15種類くらい…)、違ったおいしさに仕上げられていて、ハッとさせられるのです。黄金率のような、糖度65%~70%という数字から半端じゃない甘さを想像すると、口に含んで感じる甘さにはいささかの押しつけがましさも、くどさもなく、ついつい幾つも手を伸ばしそうに。お菓子にこんな言い方は変かもしれないが、もちろん、ケーキも尋常じゃなくおいしい。たまぁ~に、本物の贅沢を味わいたい気持ちになったら、はるばる出かけていっても決して失望しませんよ。それにしても「甘味」って奥が深いんだなあ。
「すべては、おいしさのために」―、本文のどこかにあった河田さんのことば。お客さんが食べて「おいしい」と言ってくれる、そのことのために菓子づくりのさらなる高みをめざしていく。どんな仕事にも通じることと、襟を正す気持ちにもなります。

冬越しの野菜に囲まれあったか気分

 明けましておめでとうございます。
 暮れにインターネットサーバーの容量を増やす手続きを終えたあと、移行のためのさまざまなセッティングに手間取り、年が明けてからもホームページのあちらこちらと穴あき状態になってしまい、右往左往していました。休み中にホームページを覗いてくださった方たちも驚かれたと思います。どうにか復旧できましたが、まだ見落としがあるかもしれません。お気づきのことなど、ご指摘くださいませ。
年始めですので、アクティブなホームページをと、いささか怪しげな抱負を掲げて新年のスタートを切ることにいたしましょう。

 大不況! が続きます。そのなかでも出版は沈下が激しく、修復困難な「構造不況」下にありますが、つつましさにかけては創業以来胸を張って(ゴホ!)きている自然食通信社です。小さな無数の生き物に支えられた豊かな土から農家の方たちが育てたいのちの力あふれる野菜を原動力に、ていねいな本作りを心がけていきたいと思います。
 冷え込む早朝の畑から取り出された野の扉の初荷野菜が届きました。
 まずは事務所で年を越したサツマイモと届いたばかりの里芋、山芋のイモ類3種であったかいクリーム煮を。といっても実はほとんど煮込まない和えものといってもいいようなスピード煮です。やはり暮れに届いた鶏さんのガラでとったスープ少々でこの3種の芋を10分ほど蒸し煮するあいだに、バター、小麦粉、牛乳でホワイトソースをつくり、みずみずしいブロッコリーも加えて混ぜ合わせます。寒さに耐えて甘みが増した根菜のおいしさは格別。この季節ならではのおいしさです。味つけは塩コショウで。
 

卵焼きはきのう残ったのを温めて、葱ソースをかけます。
このソース、実は、熊谷喜八さん考案で、毎日新聞の家庭欄で紹介されていたものを、換
骨堕胎。ありものソースにしちゃいました。胡麻油を低温に熱したところに万能葱(忘年会の料理で残ったもの)をたっぷり入れて炒めていき、あら摺りした中華素材の山椒、塩で味付け、仕上げに醤油で香りづけしたもの。熊谷さんのはナンプラーやオイスター油なども加えてもっと奥行きのあるソースになっているのですが。すりおろした山芋、小口切りした葱(こちらもたっぷり)入れた卵焼きにこのソースをかけます。

人参のストックが増えてきて、うれしい。この日は人参をすりおろしてご飯に炊き込みます。ごく少量の塩だけの味つけ。すりおろすと一気にかさが減ってたくさん食べられるし、カロチンの赤ってきれいでそれだけで気持ちが浮き立ちます。甘味が増した冬の人参はほんの少しの塩でさらに甘く。これはおすすめ! 

豆腐、長葱、油揚げと定番材料の吸い物です。塩味ベースで、香りづけに醤油を少々。

本日のお茶

薬草茶(ドクダミ、ヨモギ、玉葱の皮…外側の
茶色くなった皮を溜めておきます)

                                   料理人:よこやま