昼めし日記

 2010年9月6日

  ●昼めし献立 

  • 冷や汁かけライス
  • ゴーヤと車麩のチャンプルー
  • イタリアントマトのサラダ(バルサミコ酢+醤油+オリーブ油のドレッシング)

 本日のオイシイ!

すべりこみセーフでやっと作れた!夏野菜ぎっしりの”冷や汁”。冷たくしたご飯にかけていただきます。


茄子、キュウリ、オクラ、生姜、ミヨウガ、青紫蘇と、夏野菜を細かく刻んで冷たくしただし汁にたっぷり入れた冷や汁。さかのぼること20数年前、山形の内陸部出身のスタッフから教わって(つもりだった…?)、清涼感あふれるおいしさと暑さにダレたからだをしゃっきりさせてくれる威力にすっかりこころ奪われてしまいました。
以来、毎年夏になると、ひたすら包丁をリズミカルに動かす心地よさも加わって、だいたいは作りすぎてしまう冷や汁を事務所スタッフに強引に振舞ってきたのでした。
ところが最近、山形県や関連のホームページなど覗いていたら、夏のものとばかり思っていた冷や汁が、どっちかっていえば、乾物の野菜などを戻して具沢山の汁にしたものがベースになっているらしく、私がつくってきたものはどうやら宮崎のほうの冷や汁に近いよう。ま、おいしいんだから、どっちだっていいわ。
というわけで、ありあわせの野菜ではありますが、キュウリ、茄子、オクラと、あとは豆腐で間に合わせましょう。汁の方には梅干しの果肉を叩いてほんのり酸味をつけ、あと塩、醤油で味をととのえたら粗熱をとり、摺り胡麻を混ぜ合わせて冷蔵庫へ。
炊きあがったごはんは潔く、ざざっと水で洗い、最後に冷蔵庫の水をくぐらせて器によそい、ほどほどに冷えた冷や汁をかけます。
これで薬味の茗荷や青紫蘇が加わったら最高ね。いくらでも食べられそうなのがコワイです。

イタリアから来た調理用&生食兼用のトマト。皮がしっかりしていて包丁でも皮が剥けます。が、もったいないので皮ごと乱切りに。でも皮も味のうちというか、皮もおいしいトマトです。バルサミコ酢と醤油をまぜたなかにトマトを少し(15~20分だったかと)漬け込んで、すりおろした玉葱をのせ、オリーブ油をまわしかけたシンプルなサラダ。バルサミコ酢の酸味も醤油と喧嘩せずにまろやかになるのが不思議。

沖縄では、ふわふわと軽~い独特の感触の麩があって、卵とじにしたのをいただいたことがります。車麩で育った私にはエキゾチックな新感覚の味でした。食べなれたガッシリタイプの車麩にだし汁をたっぷり含ませて、ゴーヤととともに炒めてこげないうちに手早く卵でまとめました。

★★昼飯コラム★★


 この夏、シオカラトンボを見ましたか?


「安定した太平洋高気圧のおかげ(?)できょうも最高気温35度」と手もち無沙汰ぎみに伝えるラジオのお天気キャスターに筋違いの文句を言うわけにもゆかず、25分の自転車通勤をさぼって久しぶりにバスでご出勤。始発だから座れるし、わずか15分ほどだけれど、短いエッセー1~2編は読めるしで、楽チンなことこのうえなし。
発車してまもなく、反対側の席のほうからビ、ビ、ビ~と気ぜわしい音がして、目をやるとトンボがガラス窓のあちらこちらとやみくもにぶつかって立てている音でした。
窓はびっしり閉まっていて、開くかなあと思いながら上の方を見ると、横長の細い窓が。六十肩に響かないよう、すべり具合のひどく固い窓を20センチほどようやく開けたけれど、こっちに来てくれるかなあ。
目の前でジタバタしているトンボにまったく目もくれず携帯に夢中なのは二十歳そこそことみられる若い女性。あ、反対側に座った女性も頭の上の窓をこじ開けてくれている。こちらは30代後半といったところか。
トンボは大きさから、シオカラトンボかな。子どものころはさんざん追っかけていたものです。…
どうやら少しばかり開いた窓からトンボは思ったより早く脱出できたようでした。
昆虫たちが束の間のいのちを燃焼する夏。ため息もらすほどかすかながら、早朝の空気や、からだを包む夕暮れ時のほてった風のなかにも涼やかさが流れ込んできて、季節の変化は少しずつ確かな感触になりつつあります。
あぁ、涼しくなったらなったで、夏バテに襲われるんだろうなと、もう片方では早手回しの現実を引き寄せてしまいました。

本日のお茶

ドクダミ(新潟・松之山産)とヨモギ(ご近所)    

 

                                                                 料理人:よこやま