昼めし日記

2005年5月19日
昼めしの献立 

  • スピカ麦の穂のライトブレッド 
  • ひよこ豆のディップ 
  • 白菜と小松菜の甘酢あんかけ 
  • 豆のサラダ 
  • 白菜スープ
     

 近所の猫たちがなにやら気ぜわしい。特にオスたちはパートナーを探して屋並の間の細い路地から路地へと、うろうろ。派手に雄叫びあげていたり、いつもの縄張りから突っ走って気がつけば、見たこともない所まで来てしまった、という、見慣れない顔の奴もいる。つい先だっても、妙な格好の猫が向うから歩いてくる。これが大きなメガフォンみたいなかたちのものに顔がすぽんとはまっていて、くたびれた毛並みには歴戦の跡がしのばれる。怪我の手当てをしたあとのガードらしいが、面目なさそうな風情に、おもわず笑ってしまった。
 ワガママお嬢のわが家の猫は、前の飼い主が避妊をしたようで、オスのお誘いにはけんもほろろだけれど、食べものの好き嫌いがこの時期には目立って、あれもイヤこれもイヤと、メンドクサクッてたまりません。

ところでニンゲンのほうの食卓はといえば…春たけなわではあるけれど、新玉ネギや、夏の野菜のキュウリも入り始めたなかに、白菜などもあって、料理の幅が広がりますねえ。
というわけで、本日は白菜が活躍することに。パンはスピカ麦の穂のライトブレッド。ラグビーボールを長あーく40センチくらいに伸ばしたような形のを、3分の1にカットしてもらったもの。いくらか軽めの食感に麦の香りがふわりと口の中で広がる、最近お目見えの新商品です。

白菜スープは、スライスした玉ねぎをたっぷり、これを軽く油でいため、水と昆布1枚、大ぶりにざくざくっと切った白菜も入れる。味は塩コショウのみで。このあと牛乳を入れようかと思いつつ、味見をしたら、もう十分旨いので、これでよしと。
昆布といえば、鰹節とともに日本料理のだしの定番。ところが醤油との相性がいい鰹節に対し、昆布のうま味は塩と合うので、和食以外にも応用が広いのだと聞いた。そういえば、少し前、NHKテレビでフランス料理の伝統のなかに、日本の昆布のだしをを取り入れているという、本場三ツ星シェフが登場していたっけ。テーマも「世界を駆ける日本料理」というのでした。
 この頃、市販の「昆布茶」をうま味アップに使うといいと、重宝がられているようだけれど、あれには化学調味料のアミノ酸がたっぷり入っていることに気がついているのかなあ。

白菜でもう1品。5~6センチ幅に切った白菜を、縦に刻む。こうすると歯ごたえよく仕上がる。小松菜も同じ長さに。ごま油を熱し、鷹の爪を1本軽くいためたら、強火で白菜を炒め、仕上げ近くに小松菜も加え、たれ(酒、醤油、酢、砂糖)をたっぷりめにまわしてざっと炒め、水溶き片栗粉でとろみをつける。

豆は、ひよこ豆と金時、白インゲンの3種をゆでて。サラダには、これと、新玉ねぎ(野の扉から届いたのは小玉ネギ)のスライス、ブロッコリーで。味付けはいつものオリーブ油と塩でシンプルに。
ひよこ豆の薄皮をとり、すり鉢で軽くつぶし、マヨネーズと酢少々、塩も少し加えてパンにのせるディップに。

本日のお茶 スギナ+ヨモギ
本日のおやつ 青山ブラウンライスのレアTofuタルト

素朴な豆腐をリッチで繊細な舌ざわりへと変身させたフィリングの仕上がりに、これまでのナチュラスゥィーツに対するイメージが心地よく覆される。自家製というレモンリキュールも爽やか。

料理人:ぎん