昼めし日記

2005年7月26日
昼めしの献立 

  • 黒米ご飯 
  • 冷や汁(茄子、キュウリ、オクラ、ミニトマト、フォー) 
  • 千切り人参の胡麻味噌和え 
  • ツルムラサキのおひたし 
  • 豆のサラダ(キドニービーンズ、ヒヨコ豆、玉ネギ)

上野の国立博物館で開催中の「縄文VS弥生」展が見たくて、日曜日夕方、閉館まであまり時間がなかったが、自転車を走らせ30分前に滑り込む。最近、考古学上の発見が相次ぎワクワクさせてくれる縄文のほうをもっぱら見て回った。豊富な木の実を採取、道具を使っての漁労や狩猟などで人々が多彩な食生活を営んでいたことがうかがえる。犬を埋葬した跡が再現されたコーナーには、縄文の人々は犬を食用としてではなくもっと近しい存在としていたのではないかとの説明もあり、遙か古えの縄文ワールドに魅せられてしまった。

いっぽう弥生時代の始まりも、最新のデータによれば少なくとも500年は遡れるとのこと。縄文最後期と弥生が重なっていくころには稲も登場してくる。

古代の米といえば、大方は糯(もち)種だったとのこと。もともとは赤米が多かったようだが、ここ10年ほどのあいだに、その赤米の栽培も少量ながら復活。さらに黒米もけっこう見受けられる。事務所でも色んなところから赤米や黒米をいただいたりする機会が増えた。
赤米、黒米とも、普通の米に1~2割ほど混ぜて炊くと、全体に色がついて美しい。ちょうどお米のストックがつきたところだ。しばらく前にいただいたままになっていた黒米があるから、今日はこれだけを五分搗きくらいにして炊いてみた。炊きあがったごはんは濃い紫色に輝いている。もっちりとした食感で、腹もちもよさそう。

冷汁は、茄子とキュウリをそれぞれみじんに刻んで軽く塩をまぶし水気をしぼったのをたっぷり用意。塩、しょう油で味つけし冷ましておいたただし汁に、茄子、キュウリ、やはりみじん切りにしたオクラと、水で戻してからさっと熱湯でゆがき、水さらししたベトナム麺のフォー、ミニトマトも加え、味をととのえる。あまりキンキンに冷たくしないほうが野菜のみずみずしさが味わえます。

人参はひたすら千切りにしたら、鍋を熱してカラ煎りし、胡麻味噌で和える。しょう油、酒、刻んだだしガラ、水を煮立て冷ましたたれで、ゆがいたツルムラサキを和え、おひたしに。いっしょに盛り付けたら色のコントラストが鮮やか。

冷蔵庫の中にキドニービーンズとヒヨコ豆の煮たのが入っているのを思い出し、玉ネギをスライスし、オリーブ油と塩、酢のシンプルサラダを追加で作る。玉ネギは水さらししなくとも辛みがなく、サラダに使いやすいのがありがたい。

本日のお茶 ドクダミ+ヨモギ+宿根ソバ
本日のおやつ ブラウンライスのミントチョコケーキ。フレッシュなミントの香りがぜいたく。甘さ抑えめのチョコともいいバランス。

料理人:よこやま


2005年7月22日
昼めしの献立 

  • モロヘイヤ煮びたし 
  • 野菜カレー(ジャガイモ、人参、玉ネギ、トウモロコシ、トマト) 
  • 胡瓜と茄子の冷やし汁 
  • 黒米入りごはん

カレーを作るのは久しぶり。南インドのカレーは野菜をふんだんに使うから、野菜好きにはたまらない。さらりとした味わいもじっとり蒸し暑い日本の夏にはぴったりじゃないかな。いまのところ、なんとかのひとつ覚えで、つい、こればっかり作ってしまう。
きょうは、汁気を押さえて、おかず風の一品に。クミン、鷹の爪、シナモン、ベイリーフ、粒胡椒のワンセットを油で熱し香りが出たら、玉ネギ、トマト、ニンニクと生姜のみじん切りを炒め、トマト、人参、ジャガイモを加え、ターメリック、塩を入れたら蒸し煮に。これだけでシンプルかつスパイシーなカレーができあがるから、楽しい。当分やめられませんね。

すっかり夏の野菜として食卓に定着した感のあるモロヘイヤ。20年ほど前、友人が「エジプトの星」っていうの、と観賞用の鉢植えをもってきたのがモロヘイヤとの初顔合わせ。不思議なことにそのすぐあとくらいに、突然訪ねて来られた方が、「日本にこの『モロヘイヤ』を根づかせたい。とても栄養が詰まっている野菜なんですよ」と種を見せながら力説していたことを、思い出す。そのときは「エジプトの野菜ねえ」なんてぼんやり聞き流していたのだけれど。
昨日事務所に届いた野菜ボックスにもモロヘイヤがたっぷり入っている。熱湯で軽くゆがき、水にさっとくぐらせあら熱をとったら、包丁でこまかくたたいて、とろとろに。だし汁、酒、醤油をあわせ、濃い目の味付けをしたつゆにモロヘイヤを10分ほど漬け込み味を馴染ませる。

キュウリと茄子を粗めのみじんにきざみ、塩をして軽くもんで水気を絞ったら、塩、しょう油で味付けしただし汁を冷ましたところに入れ、冷蔵庫で冷やした冷汁も添えて。

ご飯は黒米を2割ほど入れ7分搗きにして炊いたもの。うっすらと紫色に染まりました。

本日のお茶 ドクダミ+宿根ソバ
本日のおやつ おかき

料理人:よこやま


2005年7月21日
昼めしの献立 

  • 青トマト、苦瓜、ナスの味噌煮
  • ズッキーニ入りポテトサラダ
  • スープ(トマト、エンツァイ、インゲン、卵)
  • ごはん
2005年7月21日の昼めし

先日編集長が「菜園 野の扉」(埼玉県寄居町)におじゃました折にお願いしていただいてきた青トマト。通常なら畑で朽ちるに任せているものらしいですが、それでは、もったいない。以前から、あれは絶対いい食材と編集部で目をつけていたものです。

やはりお土産にいただいた初生りの苦瓜と一緒に青トマトを味噌煮にします。種をこそげとって半月切りにした苦瓜と、乱切りの青トマト、ナスを少しの油で軽く炒め合わせたら料理酒(「蔵の素」)と麦味噌と寺田本家(千葉県香取郡)の「にぎり酒」(発芽玄米酒「むすひ」の酒粕)大匙1ほどでほんのり甘味をつけます。じっくり素材の水分を引き出しながら青トマトがほどよく柔らかくなるまで煮ました。仕上げに青ジソで香りをプラス。青トマトの酸味が夏にはうれしい煮物です。

長さ30センチほどの特大の黄色いズッキーニは新潟県松之山町産。厚めの輪切りをステーキみたいに焼くだけでもおいしいのですが、今日はサイコロに切ってからさっと茹でてポテトサラダに混ぜ込みました。ジャガイモは皮ごと乱切りにしたら塩をふって蒸し煮。マヨネーズは控えめにして、酢、塩、牛乳を加えてマッシュふうに練り上げておきます。バジルも刻んで加えてさわやかに。

エンツァイがたくさんあります。炒めて食べることが今までは多かったけれど今日は思い切ってスープに。茹でてから水にさらして少しあく抜き。かつおだしのスープに塩、しょう油、酒で味付けしてインゲンをしばらく煮てからトマトの薄切りとエンツァイを加え、卵1個を溶いて回しいれ仕上げます。なんだ、クセがなくて、飲みやすいではないか。夏の鉄分補給によさそうなスープです。

本日のお茶 ドクダミ
本日のおやつ おかき

料理人:しろ


2005年7月1日
昼めしの献立 

  • 枝豆ごはん
  • ツルムラサキと茄子の酢醤油あえ
  • サラダ(ジャガイモ、大根、胡瓜、青じそ、トマト)
  • 味噌汁(人参、フダンソウ、卵)

2005年6月27日の昼めし

ツルムラサキが大好き。茹でても炒めてもぬめりが出て独特の味わい。モロヘイヤと並んで栄養価高い夏のスタミナ野菜。酢醤油や味噌汁にも合うし、豚肉などともよく合うと思います。
ツルムラサキを太い茎部分と葉の部分に分け、茎、葉の順にざっとゆがいて水にとり、軽くしぼってざくざく刻む。茄子はフライパンで炒めて。手鍋に醤油、酒、酢を入れ煮立たせたものに両方を合わせ、仕上げにごま油…がいいのだけど切れていたので菜種油をちょっぴり回し入れてできあがり。

フダンソウ、と名前をつけられて入っていた野菜は一見小松菜?と思ったが、説明によると「暑さに強くて、小松菜類のとれない盛夏期の青菜として昔からあった品種」だそう。煮浸しも合いそうですが、本日は味噌汁の具に。

青じそたっぷりのサラダを思い描きながら、ジャガイモ、胡瓜をそれぞれ下ごしらえ。ジャガイモは「インカのめざめ」という品種らしい。
以前「はじめてのリメイク」で一部撮影してくださったカメラマンの大西暢夫さんが、自宅の畑でつくったという「インカのめざめ」をバイクでもってきてくれたことがあります。粉質で、味はさっぱりめ、包丁を入れると中がとてもきれいな黄色をしていて。ゆでるといっそう色あざやか。ジャガイモの品種なんて「男爵」と「メークイーン」くらいしか知らなかったけど(だって、スーパーにはそれくらいしか表示してありませんもんね)、名前を知って料理して味わうと、品種による味の違いが面白くなります。
「里芋」って、「土垂」とか「石川早生」とか色々あるんだ!と知ったのも最近。そう考えるとスーパーの均一な表示が不思議に思えてくるから不思議。99円ショップだか100円ショップで昔買ったことがある冷凍の「里芋」、あれはマズかったなあ。皮もむいてあるし(私は里芋の皮にかぶれやすくて痒くなるのでちょっと苦手)すぐ使えるし、とうっかり買ったのだけど、繊維ばかりでぬめりも味わいもぜんっぜんなくて、私の好きな「里芋」とはとても思えなかった。冷凍なのがまずかったのかしら。
そう思うと、「こんなの里芋って名前つけるな!里芋がかわいそうだ!」と野菜を愛する私は声を大にして言いたくなる。なぜか里芋の話になってしまったが、野菜って、それぞれ味があって、ほんとうにおいしいのになあ。
畑から収穫したてのものは葉っぱでも根物でもあたたかいし(冬に特にわかる)。野菜嫌いの子どもに困ってる親の方々には、ぜひ土から収穫したての野菜の味を、一度、子どもに味あわせてあげてほしいなあ、と思う。

本日のお茶 ドクダミ
本日のおやつ 梅の砂糖煮

料理人:でこ


2005年6月29日
昼めしの献立 

  • りんごごはん
  • 大根と赤玉葱とりんごのサラダ
  • ジャガイモ、人参、インゲンのニンニク醤油炒め
  • 味噌汁(ずいき、大根、玉葱、卵)
2005年6月27日の昼めし

6月って毎年こんなに暑かったっけ? くらくらするほどの日射しに、ヤラレてしまいそうな昨日。東京都心では36度まで記録したそうな。

西荻窪のギャラリーを訪れた夕暮れの帰り道、電灯のない住宅街を歩いていたらぱらぱらと雨音が。涼しくなっていいねえ、と思っていたらあっという間に雨足が強まって、あわてて喫茶店にかけこんだ。古びた木の店内、窓際に陣取ってほうっとため息。ちょうどいいや、と、たまっていた原稿の整理をすることに。

閉店までねばり、雨上がりの夜道をあじわいながら帰途につく夜半すぎ。いつもよりひたひたと生き物の気配がする。濡れた木々、土から香るせいかな。畑で、野菜たちは、順調に育っているだろうか。

きょうは水曜日、一週間でもっとも野菜がない日。段ボール箱にわずかに転がった、赤玉葱2個、大根1/4、ジャガイモ小5-6個、人参1本、インゲン2本で献立を考える。幸いまだりんごが残っているのと、乾物のずいき(里芋の茎)も使える。これでなんとかしよう。明日にはまた「野の扉」から瑞々しい野菜がくるはずだ。

この間のりんごとターメリックのごはんがおいしかったので、またりんご入りのごはんを炊いてみることに。風味を変えてクミン小さじ1弱、黒胡椒ホール2粒、月桂樹の葉1枚、塩小さじ1/2強、バター大さじ1を入れて炊き込む(米3合に対して)。これは全体的にスパイス控えめ。やさしい味です。あらびきの黒胡椒にしたり月桂樹をもう一枚増やすのもおすすめ。
赤玉葱の鮮やかな色に誘われて生のままざくざくと刻み、フライパンでざっと火をとおし冷ました大根と(最初は生で使うつもりだったが、かじってみるとかなり辛かった)、無農薬の皮ごとリンゴをスライス、レッドペッパーをきかせたひんやりサラダに。
ずいきは熱湯で30~40分ほどもどし、玉葱、大根が煮えた鰹だし汁の中にひとくち大にきざんで放り込む。最後に溶き卵を入れて味噌をといてできあがり。
ニンニク醤油にはほんの少し酢も入れ、レッドペッパー、黒胡椒もふってあとはジャガイモの旨味に頼る! こつぶなジャガイモの千切りが可愛らしく、スナックの様。人参のしっぽまでおいしくいただけて、テーブルに並べる図は「できた!」と自画自賛の気分。使い切るって楽しいですねえ。

本日のお茶 宿根ソバ
本日のおやつ スパイスたっぷりのチャイ

料理人:でこ


2005年6月27日
昼めしの献立 

  • ベジタブルカレー
  • リンゴ入りターメリックライス
  • キュウリとトマトのさっぱりサラダ
  • 水菜と卵のスープ梅風味
2005年6月27日の昼めし

 朝から日差しが痛いほどの日。テレビニュースでは干上がりそうなダムが次々と映し出されています。早くも夏負けしそうなからだには、スパイスや酸味を。
キュウリを斜め切りにして塩とレッドペッパーをまぶし、夏ミカン果汁をぎゅっと絞ってかけ回したら冷蔵庫へ。食卓に出す直前にトマトもスライスして混ぜ合わせました。今日はオイルを使わずさっぱりと。
どっさりキャベツが入ったカレーを作ります。4人分でキャベツ半個ほど。赤唐辛子1本、クミン、クローブ、カレーリーフ、シナモン、ブラックペッパー(ホール)、マスタードシード、カルダモン、月桂樹を油で炒め、パチパチはじけるくらいになったら、粗く刻んだ玉ねぎとキュウリ、万願寺唐辛子を投入。すりおろした生姜とニンニクも加えて炒め合わせ、ターメリックとレッドペッパー、塩を加えます。さらにサイコロに刻んだトマトも。水分はなるべく抑え目。刻んだキャベツも入れて材料から出てくる水分の様子を見ながら、牛乳(あればココナツミルクが欲しいところです)を加え、少し煮込みます。油がかなり控えめということもあり、全くもたれないカレーです。コクが足りないなと思ったら、チーズを加えたりしてもいいかも。
今年度産のリンゴが登場するまで、あとしばらく。少し味がぼけてきたリンゴをいろいろ料理に使っています。先週、キャベツとチーズの重ね蒸しに、ウスターソースをすりおろしリンゴで割ってかけてみたら、新鮮なお味。チーズとリンゴは相性いいですね。
本日のカレーには、リンゴを炊き込んだターメリックライスをあわせてみました。2合ちょっとのお米にターメリック小さじ半分ほどと、皮ごと小さく切ったリンゴ、クミン小さじ1ぐらい、塩も少々加えて、炊飯器で炊くだけ。ベジタブルカレーがやさしい味なので、ご飯のほうにこのぐらいの味がついてちょうどなじみます。
スープはかつおだしにちぎった梅干と梅干の種、しょうゆで味付け。卵を溶き入れて、最後に水菜を。歯ざわりを残したいのでひと煮立ちしたらすぐ火を止めます。暑いときに熱いスープで汗が吹き出てくるけれど、梅干の酸味が心地いいのです。

本日のお茶 ドクダミ
本日のおやつ 富山から届いたおかき「豆おどり」

料理人:しろ