昼めし日記

昼飯2021.1.28

  • 根菜と大豆の炊き込みご飯
    <材料>牛蒡、蓮根、サツマイモ、大豆
  • 味噌汁〔豆腐・スジ(魚介原料の練り物…東京中心に、おでんなど煮物に使われている)・長ネギ〕
  • 塩鮭のフライにターサイの付け合わせ
    <材料>塩鮭(甘口)、クスクス、ターサイ/たれ用調味料=トマトピュレ・酒(またはワイン)・醤油
  • 千切り大根とシラスの和えもの
    <材料>大根、人参、シラス(またはチリメンジャコ)、胡麻油、塩、果実酢など

野の扉から今冬はじめて届いたゴボウ。太いです。千葉県大浦町(市町村合併で現在は匝瑳市大浦地区)に江戸時から伝わるという「大浦太牛蒡」。極太サイズのゴボウでは関西では京都特産の「堀川牛蒡」が有名ですが、匹敵するたくましい姿に目を見張ります。首都圏の農産物を供給する大生産地千葉県ですが、スーパーでは見かけたことがない気がしていました。実は成田山新勝寺で奉納するための契約栽培でほとんど持って行かれる(県公式観光物産サイトより)ので、市場には出回らないそう。

無骨な外面に似合わず、香り良く、固すぎず、程よい歯ごたえで美味しさを引き立てる太牛蒡の魅力、なかなかのものです。もっと食卓に身近になってくれないかなあ。
この太牛蒡が野の扉から届き始めたのは2011年の終わり頃だったと、過去の「昼飯日記」で発見。自分で書いた文なのに大方は記憶から抜けていて、
「煮物にするとよく味がしみる、太い牛蒡があるのだと知ったのはこっちに来てから。京都の堀川牛蒡がよく知られているが、東京の正月のおせちに入っている牛蒡の煮しめも、千葉の大浦牛蒡が使われたりすると知ったのも、ついこないだのこと。それも昨年暮に野の扉から初めて届いた太っとい牛蒡を見てから。直径5センチはありそうな、肌もごつごつといかついこの太牛蒡、煮ると、意外やすぐに火が通って、味も染みこみやすい。この冬は何度か野菜ボックスに入ってきているので、あれこれとレシピを考えるのも楽しい。このつぎはくつくつと柔らかく煮てポタージュスープにしてみようかな。」
なんて書いていたんですね。写真も当時のもの。

ご飯を炊く前に、牛蒡、蓮根、サツマイモを小さめのさいの目に刻み、胡麻油を敷いたフライパンで外側がカリリとするくらいまで転がして、前夜に煮ておいた大豆を加え、洗った米の上において炊きあげました。味付けはシンプルに塩・胡椒で。胡麻など振っていただくのもいいですね。

おかずは、甘口の塩鮭を一口大に切ってフライにしようと思ったら、あれ、パン粉がない…というわけで、せわしなく頭の中で次なる手を巡らせ、小麦粉を少量の水で溶いたところに一口大に切った鮭をくぐらせ、乾燥クスクス(日本の雑穀ヒエに近い粒の大きさ。何かと重宝します)を纏わせて揚げることに。油(少なめ)の温度をあまり高くせず、ゆっくりあげたら、衣サックサクまでは行かないけれどなんとか完成。

付け合わせのターサイは、葉の方と茎を分けておいて、中華鍋か大きめのフライパンに油を引き、茎から軽く炒め、しんなりしてきたところに葉をまとめて投入。火が通ったら皿によそった”にわか鮭フライ”に添えて、軽く酒のアルコールを飛ばし煮詰めたたれをかけ回す。

 

腹周り極大の三浦大根を使いこなすのはなかなか手強い(量がネ、半端じゃない)のですが、ここで思い出したのが、めったに出番のない千切り用キッチンアイテム。普段はもっぱら包丁を研いでせっせと千切りに勤しむ私(料理好きだった向田邦子さんも、千切り大好きと何かで書かれていて、我が意を得たりと思ったものでした)も、調味料が沁みやすいギザギザ千切りは無視できず、山盛りギザギザ千切りへと一気呵成。

ギザギザ千切り大根の山を両手でぎゅっと絞ったところにシラスを加え、胡麻油をかけ回し(生で使う油は上質のものを選んで。嫌な臭いがなく、舐めても芳ばしい香りで美味しい)、シラスを傷めないようさっくりと混ぜ、塩と橙(ダイダイ)果汁(最近、スーパーで見つけた)を振って。

※そうそう、大根は皮ごと千切りにしています。ついでに大根を絞った汁は捨てずに味噌汁に入れたり、塩少々と湯を注いで飲んでしまいます。さっぱりとした飲み心地で、消化も助けてくれるし、もともと、するりとした体型の大根、捨てるところがないので、調理するときも扱いやすいし、頼りになります。(よ)