昼めし日記

昼飯20190408

・リーキの炊き込みご飯

・筍と菜の花と油揚げの味噌汁

・かき菜の茎と春雨と桜海老の煮浸し中華風

・切干大根・きくらげ・人参・油揚げの煮しめ

 

賑々しい“開花宣言”とともに花見シーズンが幕をあけたとたん、気温は急降下、蕾が開きかけた桜も身をすくめて、見ごろのはずの週末は真冬の寒さに逆戻りしたのでしたが、気の毒だったのは勇ましく夜桜見物に出かけた友人。「ブルブル震えながらの花見だったよ〜」との報告に思わず笑ってしまいました。
当社は新しいスタッフの歓迎会を兼ねて、翌週金曜夜に、江戸時代からという桜の名所、飛鳥山へ。この日はコートも脱ぎたくなるくらいの、まさに花見日和と言える陽気に。それにしては泥酔して喚き散らす人もおらず、いたって平穏な花見を満喫。

夜9時。拡声器から終わりを告げる音楽が流れて、「あれ、れ、」と言ってるうちに明かりが一斉に消えてしまったので、神妙にゴミを片づけ、押し出されるようにお山をおりて帰路に着いたしだい。

翌日、聞いた話では、家族づれが多かった飛鳥山もしだいに羽目を外す酔客が増え続け、閉口した区が終了時間を設定したのだそう。酔っ払い野放し状態になるこの季節、ゴミで溢れかえる上野のお山を避けてこちらにきたけれど、お行儀いい花見にちょっぴりさみしさも…とは飲んべえの弁でございます。

このところ、連続して野の扉からの「野菜ボックス」にはリーキ(西洋葱)のお顔が。直径4センチほどのたくましいものから細めのものまで。リーキを使い出したのはこの4〜5年でしょうか。ほぼ日本の長葱と同じように和の料理にも馴染んでくれるようになってきた感じ。 寒さがぐぐっと増してくる冬には何度か、長葱をぶつ切りにして、里芋と合わせてご飯に炊き込んだりしますが、リーキがたくさん届いたこともあって、これを4〜5ミリのぶつ切り(切り口が渦巻きで美しい!)にして、7〜8センチ角の昆布と塩を少し加えて炊き込みました。長葱よりいくらか優しい味になったかも。

食べていたスタッフたちに「いつもの長葱じゃなくて、リークにしてみたの」と明かしたら、「長葱と思って食べていました。美味しい!」との感想。ねっとり感は長葱の方があるかな。

 

 

・かき菜の茎と春雨と桜海老の煮浸し中華風

野趣溢れるといえば、菜の花の親類、かき菜も春を運んでくれる関東の代表野菜。筆者の郷里では「とう菜」がこれに近いかな。茎は結構太くたくましいのにさっと湯がいただけで筋もなく瑞々しい香りと歯ごたえを味わえます。

葉を半分ほどむしって茎と先っちょの葉に分け、熱湯でサッと湯がきます。茎の方を細めに刻み、お湯で戻して水気を絞った春雨と干し桜海老(国産はお高いので香りを楽しむ程度の量に)を調味液(甘酢・だし汁・豆板醤)に10分くらい浸けて味を馴染ませます。

 

切干大根も野の扉から届いたもの。ひと月くらい出番待ち状態でしたね。そこが乾物のありがたいところでもあるけれど。

天日干しした大根って、ほんとうにふんわりとした日なたの甘い匂いがして、思わず鼻をくんくんしてしまう。だから戻し汁にも旨味がたっぷり。この戻し汁があれば、わざわざだしを取らなくてもオーケー。酒を少しと、薄口醤油か、塩少々と濃口醤油を合わせ、今日は冷蔵庫に眠っていたキクラゲ、人参を入れて煮しめにしました。

味噌汁は、春たけなわの定番素材、筍と菜の花と油揚げ。筍は自宅でアク抜きをして持ってきたもの。熱々の汁から立ち上る香ばしい味噌の風味、菜の花の軽い苦味や野趣溢れる筍。待って待って、抱きしめる季節の香りが広がります。