| TOP > 日々のたより>2005年11月9日 |
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続 イカウシの森に暮らして (5)
ハチ仕事専用の服に工夫をこらす
部員たち
それで麦さんは考えた。考えうる限りの完全防備でこの仕事に臨もう、と。通販でハチグッズを売っているお店を探して、ハチ用ヘルメット、なるものまで購入した!
ほんとは、イギリス製、養蜂家用防護服(ほとんど宇宙服。頭から手先まで、オールインワン)が欲しかったらしいが、高価なのであきらめたらしい。ハチ用ヘルメットは韓国製で、頭が蒸れないように通気口が空いている。私はこれを見た時に、『この通気口は、大きいのではないか、却ってこれは危険じゃないのか』と言ったのだが、麦わら帽子の隙間からハチが入って、頭をぼこぼこに刺された事のある麦さんは、「やっぱりこれからはヘルメットじゃ」と言う。
ハチ部のみんなも昨年とちがって、いろいろ痛い目にあっているので、今年は各自工夫をこらした格好で仕事をしている。例えば、カーイさんは手袋と腕抜きが一体化してるものをはめているし、カナコちゃんはなんと長靴とズボンの継ぎ目に腕抜きをはめている。要するに、隙間(服と手袋の間、とか、隙間にハチが入り込んで刺される事が多いので)がないようにしないといけないのだ。そして軍手ではなくゴム手袋、厚手のやつ。ただし厚すぎると、感覚が鈍って、物を取り落としたりしやすいので、ほどほどのものを。など、みんな学習しているぞ。
私も白いツナギを着て(黒い服を着ていると襲われやすいので)、帽子はうつむいても前にずれないものにした。軽くて、蒸れなくて、ぴったりはまるもの。この条件にちょうどいいのが、ヘレンカミンスキのおしゃれな水草で編んだ帽子なので、もったいないのだが、ハチに刺されるのは私もいやなので、仕方なくこれをハチ専用にした。ハチ部乙女部員はオシャレじゃないとね。
さて、こうやって作業をするのだが、ハチ用ヘルメット使い初めで、ガンガン仕事をしていた麦さんが、突然、ヘンな踊りを踊りだして、森の向こうに駈けていった、と思ったら、うちの中に走り込んでワーワー言っている。おかしいなあ、ヘルメットもかぶってるしなあ、刺されるわけないのになあ。と思ったが、一応、家の中に声をかけてみた。「やられたーッ」と叫んでいる。
やっぱり、あの通気口だ。どう見たって、ハチが入れそうな大きさの穴だもの。あそこからハチが入って、またまた麦さんの頭がぼこぼこになってしまった。 あーあ。しかし、韓国のハチは日本のハチよりでかいのだろうか。韓国では西洋ミツバチじゃないものが飼育されているのか。韓国の養蜂家は,ホントにこれ、使ってるのか? わからない。
怒った麦さんが、このヘルメットを返品するのかと思ったら、白いビニールテープを買ってきて、通気口を全部、ふさいで、こりずに使っている。ヘルメットかぶってると安心なんだってさ。だから、いつも麦さんだけ、ハチの仕事しながら、いつも汗だくだ。よくやるよ、まったく。(つづく)
(2005.11.9/花房葉子『カムイブロートの食卓』著者)
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