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TOP > 日々のたより>2005年11月1日

日々のたより

続 イカウシの森に暮らして (4)

ほーじっちまで分離しちゃった!?

 春の採蜜は楽しい。朝の5時から、というのがちょっと大変と言えば言えるが、何しろ私ら、ハチ部のメンバーは、3時起きのパン屋だの耕す木工作家だの、 早起きは全く苦にならない人ばかり(一番いつまでも寝ているのが私だ。いつも遅刻寸前)。
 朝日を浴びながら、蜜蓋(熟成の終わった蜜が入っている巣は、蜜蝋で、しっかりふたがされている)を切り取って、手回し遠心分離機に入れる。重たい手応えがフッと軽くなったら、蜜がちゃんと採れた証拠だ。時々、もう、羽化する寸前のハチが遠心分離機でぐるぐる回されたせいで、飛び出して来たりする。目が回っているのか、フラフラしてたりして。かわいい。
 採蜜の時、一番楽しい仕事が、この遠心分離機を回す仕事で、ハチ部の中では唯一、現場の仕事ではほぼ無能の人である私がもっぱらこの仕事をしていたが、 ある時、大変な事に気がついた。鼻歌まじりで、ぶんぶん回していたら、蜜と一緒に、大量のほーじっち(蜂児、ハチの赤ちゃん)が流れて出て来るではないか!
 蜜を貯めてある巣の一部では、子育て用に使われる部分もあって、よく注意しないと、蜜もろとも、これからハチになるはずのほーじっちまで分離してしまうのだ。二重に網が張ってある蜜漉しを通しているので,ハチミツの中にほーじっちが入る事はないけれど、蜜漬けのほーじっちで、網目がつまってしまうくらい、犠牲者を出してしまった。
マズイ。みんながハチの箱の方で仕事をしてるすきに、ほーじっちだらけの漉し網を鳥小屋に持って行って、ひっくり返してきた。蜜漬けのほーじっちはニワトリがあっというまに食べちゃった。証拠隠滅。あ、でもこの場で白状しちゃったけど。
 これから働きバチとして生まれるはずだったわけだから、もったいない事をしてしまったと反省。ハチの仕事は、とにかく良く観察すること、この一言につきる。

 さて、じゃ、採蜜の時、一番大変な仕事は何か、というと、ハチの住んでいる箱から、巣板を取り出して、びっしり張り付いているハチを箱の上で振り落とす、という作業だろうか。だってさー、この仕事をする人が、一番、ハチに刺される確率が高いんだもん。事実、こればっかりやらされてるハチ部部長の麦さんなんか、振り落としたハチに手を刺されたり、振り落とす時に、不注意で、巣板を箱の角にガツン、とぶつけちゃって、中にいたハチに襲撃されたりして、何度もあちこち刺されている。
(つづく)

(2005.11.1/花房葉子『カムイブロートの食卓』著者

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