| TOP > 日々のたより>2004年9月15日 |
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想いを手放さず百姓にたどりついて
このごろ、週1回、野菜が届くのを心待ちにしています。これまで25年近く、事務所の分も家で使う分も同じ生産グループからとっていて、こちらも内容の充実した野菜で、市販のものには手が出ないほどですが、この春から、少し気分を変えて事務所で使う分だけ、別の農家(菜園「野の扉」)からとり始めました。
以前、スタッフだった人ですが、つれ合いと10年ほど前に埼玉の寄居町に新規就農していて、単行本『おいしいから野菜料理』(本体2000円)のなかでも登場しています。自然食通信社時代には『百姓になるための手引』(1986年刊 本体1200円)という本を編集しました。そのころ出していた雑誌『自然食通信』に「農業をやりたいが、どうすればいいのか?」という問合せが沢山届いていて、読者の声に押されるようにして別冊で8000部刷った半年ほどのあいだに完売。急ぎ単行本として作り直してからも、当時は都市から農村へ入植する手がかりがほとんどなかったこともあり、合わせて2万部近く出た本でした。
その後書きで彼女が書いた「…つれあいや友や子どもと土の上で共に働くことができる空間と時間が何にもかえがたいものに思えてきました。『今百姓』を担う“天の半分”の女たちも、きっとそんな思いを支えにして暮しているのだと、ほとんど誌上に登場してもらえなかったことが心残りでなりませんでした」という言葉が印象的だったことを思い出します。
そうした想いをずっと手放すことなく求めていた暮らしにたどり着いて、しかもはなっから農薬も化学肥料も使わない農業しか考えなかったようで、夫婦してハードな肉体労働に明け暮れています。丹精こめた畑から、生命力に溢れた野菜を毎週届けてもらえるようになって、こっちも何だかひどくうれしい気持ち。 店頭ではあまり見かけない三尺ササゲ、白茄子といったクラシックな品種や、新しい品種を育てるのにも意欲的で、この夏は、生食用のトマトのほかに、炒めたり、ソースにして美味しいトマトや、生のバジルなども入っていたりして、どんな料理にしようかと思案するのも楽しい。仕事がどれほど忙しくとも、食いしん坊ぞろいの当社の昼めしは、自前の料理。とびきりの食材を前にその日の担当はしばし腕組みです。(2004.9.15/横山豊子)
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