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TOP > 日々のたより>2006年8月9日

日々のたより

  パーマカルチャーを実践する宿        シャロム・ヒュッテへ


昼前に気温はすでに35度とヒートアップ、灼熱地獄になってしまった週末の東京を離れ、信州は安曇野高原へ行ってきました。 
 高速バスと電車を乗り継ぎ、JR大糸線穂高駅に着いたのは夕刻。迎えに来てくれた安曇野パーマカルチャー塾の梅崎さんが運転する車の向こうには、茜色の光を空に放ちながら沈もうとする夕陽を背に穂高の山々が連なっています。穂高連峰の内側に入りこむように緩やかに上昇する道を車は進み、15分たらずの意外にあっけないほどの時間で宿泊先のシャロム・ヒュッテに到着。陽は瞬く間に落ち、鬱蒼とした黒い森を背景にシャロムの建物は暖かそうな明かりを灯して立っていました。

 20代で勤めを辞め、5年ほど故郷信州で山小屋番の仕事をしたのち、自給自足の暮らしを求め、友人たちの協力を得て手づくりの宿シャロム・ヒュッテを始めた臼井さん。有機農業や、福岡正信さんが提唱する自然農法、川口由一さんの自然農など、農薬、化学肥料を使わず、自然から奪わない、自然を敵視しないあらゆるいのちとつながり合う循環の農に取り組み、現在、広い農地のあちこちでさまざまな農法を比較したりしながら自給自足の可能性を探っています。
 シャロムでは自家栽培野菜を使った食事が供され、食器、道具、衣料などの洗浄には洗剤はもとより石けんも使わないやり方や、水回りも循環方式にするなど細部にわたって環境に配慮した細やかな工夫が凝らされていることに感嘆の連続でした。
 夕食をいただいた併設のオーガニック・レストラン&カフェやフェアトレード・エコロジー雑貨ショップは宿泊客だけでなく、外から訪れる人にも人気が高く、翌日の昼食時には、手づくりの石窯で焼かれる天然酵母ピザやベジ・ランチのおいしさに惹かれた家族連れやカップル、ペット同伴の人たちでレストラン&カフェはいっぱいになりましたが、緑濃い葉を繁らせる木々の下、心地いい風が吹き抜けるオープンテラスやガーデンで食事を楽しむ人たちもいます。

 今回、お邪魔したのは、自然農の畑や、畑を囲む森の回復への道筋、またこうした農を核とする自然の循環システムとつながり合う暮らしという「パーマカルチャー」の現場を見せていただくことと、シャロムをはじめとしたパーマカルチャーの実践的取り組みを紹介する初めての本の打ち合わせのため。
 「パーマカルチャー」は1970年代後半、オーストラリアでビル・モリソン氏によって提唱された循環型社会の体系ですが、かつて日本ではあたりまえだった自然とともにある暮らしの発見という言い方をしてもいいでしょう。こんど出版される本では、多彩ないのちのいとなみに包まれた心地よい暮らし、また「パーマカルチャー」に出会い、暮らし方が変わっていった人たちの声を各地から紹介しています。
8月末完成をめざし、編集作業も最終段階に入っています。ご期待ください。

           
(2006.8.9/横山豊子 自然食通信社編集長)

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