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山口ヒロミ
定価:1600(税込:1680)円
ISBN:4-916110-61-7 2001年1月発行
A5変型判上製
「ありのままで なんて美しい」
からだを動かすことも、話すこともかなわないまま、極限ともいえる生と死の境で生きる娘と、母、父とで紡がれる暮しがあることを社会に向け伝えたいと、個人誌『あまね通信』に託したいのちのいとなみを母親ヒロミが『寝たきり少女の喘鳴(こえ)が聞こえる』と題する本にまとめてから5年。娘、天音さんは2000年10月、19歳と4ヵ月での生涯を静かに終えました。
折節、通信を埋めた母の手になる娘の絵は、24時間介護で社会から閉ざされがちな日々からの解放を願う切ない気持ちから生み出されたものではありました。けれど、いつしか硬直し曲がりくねった手や足や、変形した肢体の内側から溢れ出すいのちの輝きに魅せられ、気がつけば「障害によってつくられた天音の姿態こそが」絵のモチーフに。娘に寄り添いつづけた19年の日々を綴ったエッセーは、いのちのみなもとから聞こえてくるささやきのよう。
「私のお腹の上に天音を乗せ、ちょうどラッコの親子が波間をただようように、私たちは夜のしじまを眠りにむかいます。これは、毎晩の儀式のようになってしまいました。そうしなければ、いつまでたっても天音は眠れないのです。出産時の脳へのダメージがあまりにひどくて、大きなケイレンがいつもいつも天音を襲いました、昼間はもちろん、夜も。眠りに入りかけたらケイレンが起き、眠りの邪魔をするのです。だれかがいじわるをしているかのように。天音は苦しくて泣き叫び眠りから見放されてしまいます。眠れないほどつらいものはありません。なんとしても眠らせなければと一晩中抱きつづけて、ある日やっとこのラッコの親子スタイルを見つけたのです。…」(以下略 ──本文より)
●2003年10月開設の天音堂ギャラリーにて作品を常設展示(予約制。詳しくは「天音堂ギャラリー」堂守そぞろ日誌へ)
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